ネコの医療

ネコさんの慢性嘔吐について

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うちの子、最近よく吐くのよね

ネコは吐くこと多いし、大丈夫じゃない?

体重も減ってきているから心配で。やっぱり動物病院へつれていくわ。

ネコちゃんがたまに吐くのは普通のことではないかと考えておられる飼い主さんも居られますが、たまに吐くということは正常な状態ではありません

勢いよく食べ過ぎて吐く、空腹過ぎて吐くといったような、食生活に原因がある場合もありますが、特に中年齢以降は何か大きな病気のサインである可能性もあるのです。

原因

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嘔吐の原因は多岐にわたり、上記のように食べ方の問題や、フードが合わなくて吐く場合、吐くけれども、元気・食欲はあり、体重が減ることもないという状態であれば慌てることはないかもしれません。

お腹に寄生虫が居る場合でも緊急性は低いと考えられます。

しかしながら、中年齢以降であればネコちゃんたちが嘔吐する可能性のある様々な病気が考えられます。

  • 慢性腎不全:ネコちゃんの慢性腎不全についてはこちら
  • 三臓器炎(腸炎、膵炎、肝炎の合併)
  • 消化管腫瘍
  • 甲状腺機能亢進症:ネコちゃんの甲状腺機能亢進症についてはこちら
  • 消化管イレウス(機械的あるいは機能的)

これらの病気に関しては放置すると、命に関わる可能性があります。

特に嘔吐が頻回である場合や、体重減少を伴う場合は、点滴治療などの対症的な治療だけではなく、しっかり動物病院で検査を受けることをお勧めします。

具体的にはまず身体検査、血液検査、レントゲン検査、エコー検査で全身の状態をチェックします。

ハードルが高い場合は、動物病院で定期的に実施される健康診断キャンペーンのような物を利用しても良いかもしれません(感覚的には普段より1~2割お得だと思います)。

治療

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食べ方やフードが合わないという場合には、点滴治療や投薬治療といった対症療法に加えて、食事の与え方やフードの変更などで対処します。

お腹の寄生虫が認められる場合は虫下しを実施します。

基礎疾患がある場合は、対症療法に加えて原因疾患に対する治療が必要です。

それぞれの基礎疾患についてのまとめを作成できましたら、リンクを貼るようにしますので、それまでお待ち下さいね。

費用の目安

検査・治療にかかる費用は動物病院によって異なりますが、私個人の感覚的な費用についてご紹介していきます。具体的にはかかりつけの動物病院さんにおたずね下さい。

  • 初期費用
  • トータル:2万5千~3万円ぐらい
    • 血液検査:1万~1万5千円ぐらい
    • 甲状腺ホルモン検査:4千~5千円ぐらい
    • レントゲン検査:5千~6千円ぐらい
    • 腹部エコー検査:5千~6千円ぐらい
    • 便検査:千円ぐらい
  • 基礎疾患の治療(入院が必要なほど重症である場合)
    • 入院にて内科治療を実施する場合(一週間ほどの入院):15万~20万円ぐらい
    • 入院にて手術を受ける場合(一週間ほどの入院):25万~30万円ぐらい
  • 入院期間や治療方法によっても異なりますが、感覚的な部分を共有していただきたいと思い記載しました。
まとめ

ネコちゃんが頻繁に嘔吐する場合は検査・治療が必要!

食生活や寄生虫感染によるものであれば、対処は比較的容易!

基礎疾患がある場合は、放置せずにしっかり対処することが大切!

ABOUT ME
ichiroiitsuka
2006年大阪府立大学卒業 2006年4月~2020年3月実家から通える動物病院に就職 2020年4月~ 広島県三次市の動物病院に就職 現在は広島県三次市の動物病院と広島県庄原市の動物病院を行き来しながら勤務中で、趣味は筋トレと映画鑑賞 このブログでは自分の勉強したこと、筋トレ、映画などについて書こうと思っています。