45歳勤務獣医師の資産形成|結婚・転職・投資を経て今思うこと

子供の頃は、お金の使い道があまりイメージできていませんでした。
学生時代は、お小遣いの範囲で好きな物を買い、余ったら貯金をする。生活に必要なお金は親が管理してくれていましたし、本格的にお金に困った経験もありませんでした。
そのため、大人になって働くようになれば、お金は自然と貯まっていくものだと思っていました。生活費や税金、住宅費など、実際に暮らしていくために必要なお金について深く考えたことがなかったのです。
しかし、自分の家庭を持ち、資産を管理する立場になると、お金との向き合い方は大きく変わりました。日々の生活費や将来への備えについて考える機会が増え、ニュースやSNSで流れてくる経済や投資に関する情報に気持ちが揺れることもあります。
私自身、投資では失敗を経験したこともありますし、今でも試行錯誤を続けています。それでも、貯蓄や投資信託への積立などを通じて、少しずつ将来への備えを進めてきました。
少子高齢化が進む中、老後資金や年金について不安を感じるという話を耳にすることも少なくありません。だからこそ、お金について考えることは、特別な人だけではなく、多くの人にとって身近なテーマになっているのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、働き盛りの現役世代の一例として、私自身がどのように資産形成に取り組んできたのか、またお金についてどのような考え方を持っているのかをご紹介したいと思います。
決して資産家でも投資の達人でもありませんが、一個人の経験談として読んでいただければ幸いです。
結婚するまで、お金のことはあまり考えていなかった

大学を卒業して就職した25歳頃から、転職する40歳頃までの私は、決して経済的に余裕がある状態ではありませんでした。
独身だったため大きな出費はなく、ある程度の貯蓄はできていました。しかし、将来家庭を持つことや子育てをすることは現実味がなく、自分が結婚する姿もなかなか想像できませんでした。
実際、30歳を過ぎるまで女性とお付き合いをした経験はありませんでした。このまま一人で生きていくのだろうと思っていた時期もあったほどです。
そんな私に転機が訪れたのは、30歳を過ぎた頃でした。ご縁があって一人の女性と出会い、お付き合いをすることになったのです。それまで結婚を意識するような出会いがなかったこともあり、「この機会を逃したら一生結婚できないかもしれない」と本気で考えていました。
そこで私は、「お金はないけど、それでも結婚してくれるか?」とプロポーズしました。今思えばずいぶん頼りない言葉ですが、幸いにも受け入れてもらい、その後結婚し、子供にも恵まれました。
しかし、結婚して家庭を持つと、お金に対する考え方は大きく変わります。自分一人が生活できれば良かった頃とは違い、家族の生活や将来について考えなければならなくなりました。
当時の職場は拘束時間が長く、決して楽な仕事ではありませんでした。しかし、その労力に見合うだけの収入が得られていたかと言われると、正直なところ疑問がありました。日々の生活を維持することで精一杯で、将来に向けた資産形成や十分な貯蓄を行う余裕はほとんどなかったのです。
そこで私は、働きながらより条件の良い職場を探し始めました。この転職への挑戦こそが、後の資産形成につながる大きな転機になったと思っています。
転職が人生の大きな転機になった

そんな中、ある求人情報を目にしました。
その求人に書かれていた内容は、まさに当時の私が求めていたものでした。そこで私は思い切って先方へメールを送り、自分の現状や希望する待遇について正直に伝えました。
すると、その日のうちに先方から連絡があり、話は驚くほどスムーズに進みました。そして無事に転職することができたのです。
振り返ってみると、この転職が私の資産形成における最初の大きな転機だったと思います。
転職後しばらくは、ペットと暮らせる賃貸住宅に住んでいました。しかし、ペット可物件は家賃が比較的高く、「この金額を払い続けるなら、住宅ローンを組んで家を持つのと大きな差はないのではないか」と考えるようになりました。
そこで夫婦で話し合い、住まいについて本格的に検討を始めました。
当初は中古住宅を購入してリフォームすることも考えていましたが、さまざまな物件を見て回るうちに、長く住むことを考えるなら新築住宅の方が自分たちには合っているという結論に至りました。
もちろん、これは人生の中でも最大級の決断でした。
住宅ローンの金額はそれまで扱ったことのない規模でしたし、返済期間は35年。契約当時は、そのあまりの金額の大きさに現実感が薄くなり、どこか感覚が麻痺していたような気がします。
住宅ローンを抱えたことで、私はさらにお金について真剣に考えるようになりました。
副業や投資への挑戦

家を建て、新しい職場で働き始めた私は、さらに収入を増やす方法はないかと考えるようになりました。
そこで取り組んだのが翻訳の副業です。以前にご縁のあった翻訳会社へ連絡を取り、再び翻訳業務を希望していることを伝えました。過去に仕事をした実績があったこともあり、不定期ではありますが翻訳案件をいただけるようになりました。
本業に加えて副業収入を得られるようになったことは、家計にとって大きな助けとなりました。
副業についての記事の詳細はこちら
それから数年が経過した頃、国も「貯蓄から投資へ」というメッセージを発信するようになり、新NISAなど投資に関する話題を目にする機会が増えていきました。また、投資によって資産を大きく増やした人たちの話を耳にすることもあり、私自身も株式投資に興味を持つようになりました。
最初に始めたのは積立型の投資信託でした。そしてその後、個別株投資にも挑戦しました。
もちろん、何も知らないまま飛び込んだわけではありません。書籍を読んだり情報を集めたりしながら、自分なりに勉強した上で取り組みました。
しかし、現実は決して甘くありませんでした。
初年度は約66万円、2年目も約5万円の損失を出し、株式市場がいかに難しい世界であるかを身をもって知ることになりました。現在は個別株投資を休止し、積立投資を中心に資産形成を続けています。
それでも、株式投資を経験したこと自体は無駄ではなかったと思っています。
相場が動くたびに感情が揺れること、利益を伸ばす難しさ、損失を受け入れる苦しさなど、本や動画だけでは分からないことを数多く学ぶことができました。
現在の職場へ転職する際、退職金制度がないことは最初から聞いていました。
そのため今の私にとって資産形成とは、「将来の退職金を自分で作ること」という意味合いが強くなっています。
余裕ができた資金は貯蓄や投資信託へ回し、長い時間をかけて少しずつ資産を積み上げていく。その積み重ねが将来の安心につながると考えています。
貯蓄だけではインフレに弱いという意見もありますし、逆に投資には価格変動のリスクがあります。
どちらか一方に偏るのではなく、自分が無理なく続けられる方法を選ぶことが大切ではないでしょうか。
少なくとも私は、投資で大きな損失を経験したことで、以前よりも慎重にリスクと向き合うようになりました。
これから先の相場がどうなるかは誰にも分かりません。しかし、焦らず、無理をせず、自分なりのペースで資産形成を続けていきたいと思っています。
まとめ

30代後半に入るまで、私は資産形成についてあまり深く考えていませんでした。
実家も決して経済的に余裕がある家庭ではありませんでした。そのため学生時代は、「恋愛よりもまずは自立することが大切だ」と考えていました。そんなこともあり、30歳を過ぎるまで女性とお付き合いした経験もなく、自分の家庭を持つことすら半ば諦めていたのです。
当時の私は、資格を活かして働き続け、多少の貯蓄さえあれば、自分一人なら何とか生きていけるだろうと思っていました。
ところが、ご縁があって結婚し、家族を持つことになりました。
そこから転職を経験し、家を建て、副業にも挑戦し、投資では失敗も経験しました。決して順調なことばかりではありませんでしたが、その一つひとつの経験が今の私の考え方につながっています。
現在、私の資産形成には二つの大きな柱があります。
・生涯現役を目指すこと
・退職金を自分で作ること
です。
もちろん、将来がどうなるかは誰にも分かりません。しかし、焦って一攫千金を狙うのではなく、自分にできることを積み重ねながら、少しずつ将来への備えを作っていきたいと考えています。
この記事は資産形成の正解を示すものではありません。あくまで一人の勤務獣医師が歩んできた道のりと、その中で得た考え方のご紹介です。
同じように将来のお金について悩んでいる方にとって、何か一つでも参考になる部分があれば幸いです。
