猫の食欲がないときに飼い主ができること|獣医師によるアドバイス

うちのネコちゃん、最近食べが悪いの。
うちの子はもともと食が細いの。
年のせいかしら?
そのうち食べるようになるのかしら?
ネコちゃんが食べないことが異常なのか、異常ではないのか。
しっかり分けて把握して、放置しないようにしましょう。
ネコちゃんの食欲が旺盛で困っている、テーブルの上のものまで食べてしまう…というお悩みをよく聞きます。どんどん太ってきて心配、という方も多いでしょう。
その一方で、もともと食べない、あるいは最近食べなくなったという悩みを抱える飼い主さんも少なくありません。
特に、食欲不振は少しずつ進行することがあり、気付きにくい場合もあります。
まずは、食欲が落ちている原因が病気によるものなのか、そうでないのかを確認しながら考えていきましょう。
この記事では、主に私の経験をもとに、ネコちゃんの食欲不振について解説していきます。
病気ではない場合の食欲不振

あまり食べないけど、病気ではない場合もあります。
例えば以下のようなことが考えられます。
- フードが気に入らない場合
- ネコちゃんは結構好みがはっきりしています。ドライが好き、缶詰が好き、おやつが好き。ドライは好きだけど、ふやかしたら嫌い。肉が好き、魚が好きなど個性があります。
- 食べていないように見えても食べている場合
- ネコちゃんは遊び食べする子がとても多いです。少しずつ食べて、一日をトータルしたら意外と十分に食べているということもあります。
- 成長期が終った場合
- ネコちゃんはおおよそ1歳で大人になります。大人になると同時に身体の栄養要求量が減るので、生理的に食欲が落ちることがあります。
- 環境の変化で食べない場合
- デリケートなネコちゃんの場合、引っ越しなどの環境の変化で食欲が落ちる可能性があります。
これらに該当する場合は、病気による食欲不振ではない可能性があります。
まずはフードの好みを把握し、どれくらい食べているかを確認しましょう。体重を定期的に測ることも大切です。体重が安定している場合は、意外と十分に食べていることがあります。
なお、フードパッケージに書かれている「体重あたりの1日の給餌量」はあくまでも目安です。運動量やライフステージによって必要量は変わるため、週に1回程度でも体重を測って様子を見ましょう。
次は、病気が原因で食欲が落ちている場合について考えていきましょう。
病気が原因である場合の食欲不振

身体の不調からくる食欲不振は、原因が多岐にわたります。ここでは代表的な例をご紹介します。
- 口が痛い場合(歯肉炎・口内炎の詳細はこちら→https://shoroublog.com/cat-stomatitis/)
- ネコちゃんは歯肉炎や口内炎にかかりやすい動物です。
- 食べたそうに匂いを嗅ぐけれど口にしない、あるいは食べても口をしきりに気にし、特にドライフードを食べていて痛みから”ギャッ”と鳴くこともあります。
- また、よだれが多かったり、よだれに血が混ざることもあり、口の中を確認すると歯肉や奥が赤くなっていることがあります。こうした場合は口のトラブルが原因で食べられない可能性があります。
- お腹の調子が悪い場合
- 嘔吐や下痢を伴う場合は、お腹の不調が原因で食べないことがあります。
- フードの急な変更や、外に出る子は何を食べているかわからないため注意が必要です。季節の変わり目などで体調を崩すこともあります。
- 痛みで食欲がない場合
- 外でけんかして怪我をしたり、けんかの後しばらくたって傷が化膿して膿がたまることもあります。これらの痛みや感染による全身の影響で食べないことがあります。
- 高齢の場合は関節炎で痛みがでることがあります。
- 肝臓や腎臓などの調子が悪い場合
- 高齢なら腎臓が悪くなっていことがあります。体重が落ちていたり、口臭がしたり、食べなかったり、水をよく飲んでおしっこが多かったり、そんな症状がでることがあります。腎不全の詳細はこちら→https://shoroublog.com/feline-chronic-kidney-disease/
- 肝臓に問題がある場合、肝臓は”沈黙の臓器”とも言われるように症状がはっきりとしないかもしれません。
- 肝機能が低下すると、口の粘膜や白目が黄色くなって黄疸がでることがあります。
- 感染症が影響している場合
- 頻度が高いのはなんと言っても猫免疫不全ウイルスと猫白血病ウイルスでしょう。
- 猫免疫不全ウイルスはけんかなどで移ることが多く、一過性の風邪のような発熱や食欲不振を引き起こすことがあります。
- 猫白血病ウイルスは貧血や白血球系の腫瘍を引き起こすことがあり、これによって全身状態が悪化して食欲不振を起こす場合があります。
- その他の疾患による場合
- どんな病気でも、進行すれば元気や食欲が落ちてくることがあります。
- 食べずに痩せてくる場合は、何かしらの異常が起きている可能性が高いです。
これらはほんの一部の例であり、また、複数の原因が重なって食欲に影響を与えることもあります。
いずれにしても、食欲不振が続き体力が落ちる前に、かかりつけの動物病院に早めに相談することが大切です。
まとめ

以上、簡単ではありますが、ネコちゃんの食欲不振についてご紹介しました。
人間にも大食いの方や小食の方がいるように、ネコちゃんにも食欲の個性があります。しかし、それが生理的なものか病的なものかを見極めることが重要です。この記事を参考に、ネコちゃんの様子をチェックしてみてください。
もし、何かしらの病気の可能性が考えられる場合は、自己判断で様子を見るのではなく、早めにかかりつけの動物病院へ相談することをおすすめします。




