皆さんこんにちは!
今回ご紹介する『心の旅』(原題:Regarding Henry)は、1991年11月2日日本公開のアメリカ映画です。
主演はハリソン・フォードで、派手なシーンはなく、夫婦関係、親子関係、職場での人間関係などが描かれている人間ドラマです。
あらすじはネタバレを含みますので、内容を知りたくない方は序盤や感想のみをご覧になっていただければと思います。
- この映画が向いていると思う人
- 1990年代の映画が好きな人
- 夫婦関係についての話に興味がある人
- 人間ドラマが好きな人
序盤
弁護士事務所社長のチャーリー(ドナルド・モファット)にも頼りにされている敏腕弁護士であるヘンリー(ハリソン・フォード)は、典型的な仕事人間であり、家庭を顧みず、裁判では勝てれば手段など選ばなかった。
妻サラ(アネット・ベニング)とも冷めた関係であり、子供レイチェル(ミッキー・アレン)にとっても決して良い父親とは言える状態ではなかった。
夫婦はレイチェルを競争率の高い全寮制の進学校へ入れようと考えており、知り合いの子供でその学校に入れた子は居ないと、サラは優越感を感じていた。
ある日ヘンリーはたばこを切らせて、夜の町へたばこを買いに出かけるが、強盗が入っているお店に入ってしまう。
犯人を説得しようとするヘンリーだが、撃たれて病院へ運ばれてしまう。
何とか意識を取り戻したヘンリーだったが、全くしゃべることができず、サラとレイチェルのことも分からない。
医者が言うには、ヘンリーは頭部と胸部に銃弾を受け、脳への血流が一時的に遮断されたせいで、記憶を失い、身体も動かせず、どこまで回復するのか今は分からないということだった。
敏腕弁護士で高給取りであったヘンリーが倒れ、経済的な不安があるサラだったが、気丈に振る舞っていた。
気の許せる友人フィリス(ロビン・バートレット)にだけ、ヘンリーの現状や家庭の経済的状況を相談したが、フィリスからは『私以外にこのことを話してはだめよ』と言われた。
中盤
リハビリ施設へ移ったヘンリーだったが、トレーナーである陽気なブラッドレー(ビル・ナン)達に助けられ、徐々に言葉を取り戻し、歩けるまでに回復する。
ヘンリーが最初に話せるようになった言葉は『リッツ』だった。ブラッドレーは『そんなにクラッカーが食べたかったのか!』と言葉が出たことにともに喜んでくれるのだった。
それでも変わらず記憶が戻らないヘンリーは、サラのこともレイチェルのことも分からない。
いつまでも病院に居るわけにもいかず、自宅に戻ることになったヘンリーだったが、他人と生活するようで気が進まない。
娘が説得した方が良いと考えたブラッドレーはレイチェルに『パパと話をしてみては』とアドバイスをし、レイチェルと話してみて自宅のことを少し思い出したヘンリーは思い直して自宅へ帰ることにする。
ブラッドレーは自分が愛用していたウォークマンをヘンリーに退院のプレゼントとして渡した。
自宅に帰ったヘンリーは以前とは違って、家族や家政婦ロゼラ(アイーダ・リナレス)に暖かい態度で接し、周囲は戸惑う。
ロゼラに以前自宅に居るときは自分は何をしていたかと聞いたヘンリーは、『ずっと仕事をしていました』と答えられ、以前の自分が仕事人間だったのだと感じた。
サラがレイチェルを学校へ送る間に散歩に出かけたヘンリーは、ホットドッグを食べたり、ポルノ映画を観たりしたあとに犬を買って帰った。
サラはヘンリーが今の回復状態で黙って出かけたことで非常に心配し、ヘンリーを怒る。
ヘンリーはなぜ怒られたのか分からないが、レイチェルが『遅くなるときは電話をするのよ』と教えてあげる。
レイチェルと図書館へ出かけたヘンリーは、レイチェルに字が読めないことを伝え、レイチェルに字の読み方を教えてもらうことにする。
字が読めるようになったヘンリーはサラとレイチェルとロゼラとともに喜んだのだった。
終盤
職場復帰を果たしたヘンリーだったが、記憶が無いので意味深な視線を送りながら挨拶してきた同僚弁護士のリンダに何も感じない。
銃で撃たれる前に担当していた訴訟のファイルを見ていたヘンリーだったが、裁判で自分の側に不利な証拠があることに気付いた。
同僚弁護士のブルース(ブルース・アルトマン)とリンダ(レベッカ・ミラー)にもそのことを相談するが、蒸し返さないように言われただけだった。
レイチェルから全寮制の進学校へ入る予定であることを聞かされたヘンリーは、レイチェルが本心では自宅から通える学校に入りたがっていることを知り、サラに相談する。
以前にも夫婦で話し合って進学校へ入れたんだとサラは言い、ヘンリーもレイチェルを説得することにする。
レイチェルが寮に入った後、ヘンリーとサラは久しぶりに愛し合い、それがきっかけで夫婦仲が昔のように良くなった。
フィリスの新居パーティーに参加したヘンリーとサラだったが、フィリスがヘンリーのことを”昔は敏腕弁護士だったが、今はお荷物だ”とけなしているのを耳にしてしまい、早々にパーティーを去ることにする。
落ち込むヘンリーの元にサラがブラッドレーを招待した。ヘンリーはブラッドレーに過去の自分のことが分からないと伝えた。ブラッドレーは『自分が過去にフットボールの選手であり怪我をして選手生命を絶たれたが、リハビリをしてもらったことで自分がトレーナーとしての人生を再スタートさせ、ヘンリーと知り合って回復を助けることができた、過去がどうであろうと人の言うことは気にするな、新しい人生が開けるはず』と励ました。
自宅でブルースからサラへの贈り物と手紙を見たヘンリーはサラが不倫していることを知った。
サラに問い詰めると、『銃撃前のヘンリーは冷たく、私たち夫婦は冷め切っており、寂しくて不倫したんだ』と告白した。
ブルースを責めたヘンリーは訴訟資料を持って『リッツ・カールトン・ホテル』に行った。するとリンダが訪ねてきて、銃撃前はヘンリーと自分が付き合っており、週に2回、このリッツ・カールトン・ホテルで不倫をしており、奥さんとも別れると言ってくれていたと告白された。
ヘンリーが最初に話せるようになった『リッツ』はクラッカーではなく、ホテルの名前だったのだ。
サラが不倫した原因を自分が作っていたと知ったヘンリーは自宅へ戻り、サラの不倫を許すことにする。
さらに、銃撃前に担当していた訴訟の不利な証拠を、訴訟相手の弁護士に渡すことにした。
汚い弁護士の世界が嫌になったヘンリーは弁護士を辞め、レイチェルの進学校行きも辞めさせ、家族離れずに暮らすことにする。
感想
銃撃前のヘンリーは高給取りの不倫男で冷たい男でしたが、銃撃後のヘンリーは人間味があり、高給取りではないけれども家族を大切にし、妻ともラブラブ。
銃撃前のヘンリー周囲の人間関係はドロドロで、本当の親友とか本当の上司などと呼べる人はいない気がします。現実ってそういうものかもしれませんが。
銃撃後のヘンリーの周囲は、人間味あふれるヘンリーに集まってくる人間味あふれた人たちっていう印象がありますね。やっぱこちらの方が幸せですかね。
過去の自分が嫌な奴で、今の自分と違うっていうストーリーであれば、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『トータル・リコール』とかもそうですね。
又機会があればご紹介させていただきます!