ウサギの足裏が赤い?ソアホックの原因と対策を獣医師が解説

「かかとに傷があるんです。」
ウサギの飼い主さんから、こういった相談を受けることがあります。
「最近、かかとが赤い気がする」「毛が抜けてきている」——そんな変化に気づく方も多いです。
実際に診察してみると、かかとの毛が抜けて赤くなっていることが多く、ひどくなると深い傷になってしまうこともあります。
これは「sore hock(ソアホック)」と呼ばれる状態で、
sore=ヒリヒリと痛む、ただれている
hock=飛節(かかとにあたる部分)
つまり「ヒリヒリ痛むかかと※」という意味です。
※実際には「かかと」ではなく、飛節(hock)という部位に起こるため、「sore heel」ではなく「sore hock」と呼ばれます。
ソアホックは、ウサギでは非常によく見られるトラブルの一つです。
この記事では、ウサギの診療も行っている獣医師(専門医ではありません)が、ソアホックの原因と対策について分かりやすく解説します。
原因

ウサギが座るとき、かかとは地面に接しています。
このとき、かかとには体重がかかりますが、この部位には筋肉によるクッションがほとんどありません。
そのため、フローリングやコンクリート、金属などの硬い床では、皮膚が骨と床の間で圧迫され、傷つきやすくなります。
この状態が続くと、足裏の毛が抜け、毛によるクッションも失われてしまいます。
その結果、かかと周囲の皮膚に過度な負担がかかり、床ずれに近い変化が起こります。
皮膚は赤くなり、やがて傷ができ、さらに進行すると壊死して脱落することもあります。
こうなると、傷口から細菌が侵入し、場合によっては骨にまで感染が及ぶことがあります。
そのため、悪化する前に対処することが非常に重要です。
対策

ソアホックは、なってから対処するよりも予防が大切です。
飼い始めた時点から、以下の対策を心がけましょう。
- 床のクッション性を高める
- 床を柔らかい素材にすることが重要です。
- フロアマットなどの柔らかい床は有効ですが、囓って食べてしまう可能性があります。誤食すると、消化管が詰まってしまうことがあります。
- そのため、牧草で編んだマットを敷き、その上に牧草をふかふかに敷く方法がおすすめです。食べてしまっても問題になりにくいためです。
- 体重を増やさない
- 体重が増えると、かかとにかかる負荷が増すため、皮膚も傷みやすくなります。
- ペレットばかり与えるのではなく、牧草などの低カロリーで繊維の多い食事をしっかり与えるようにしましょう。
- 床を清潔に保つ
- 床が汚れていると、皮膚に傷ができたときに感染を起こしやすくなります。
- 糞尿をした場合は、できるだけ早めに掃除してあげてください。
- 悪化する前に健診でチェックしてもらう
- 正常な状態では、かかとは足裏の毛で覆われているため、飼い主さんが異変に気づきにくいことがあります。
- かかりつけの動物病院での健診時に、かかともチェックしてもらうと安心です。
まとめ

ソアホックは、ウサギさんでは非常によく見られるトラブルですが、日常の環境を見直すことで予防できることも多い疾患です。
特に、床の硬さや体重管理、清潔な環境を保つことは、かかとへの負担を減らす上で重要です。
一方で、赤みが強い場合や傷になっている場合、歩き方に異常が見られる場合には、すでに進行している可能性があります。
そのような場合は、自己判断せず、早めに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
日頃からかかとの状態を意識して観察し、健診時に動物病院でチェックしてもらうなどして、異変に早く気づくことが重症化を防ぐために大切です。
