皆さんこんにちは!
今回は2009年2月21日日本公開の映画『7つの贈り物』のご紹介です。
当時テレビCMしていたなという記憶はありますが、劇場では観ていません。DVDを購入しました。
落ち着いた雰囲気で、見終わったら暖かい気持ちになるような映画です。
序盤は謎めいた話が続きますが、所々に伏線が差し込まれていて、終盤にそういうことかと納得できます。
ただ、答えを知ってしまったときに、どう感じるのかは視聴者さん次第になると思います。
あらすじはネタバレを含みますので、内容を知りたくない方は序盤のみをご覧になっていただければと思います。
この映画が向いていると思う人
- 落ち着いた雰囲気の映画が好きな人
- ウィル・スミスが好きな人
- 謎めいた話が好きな人
序盤
ウィル・スミスが演じる、主人公のベン・トーマスがレスキュー911に連絡する所から物語は始まります。
オペレーター『レスキュー911です』
ベン『自殺しようとしている人がいるんだ』
オペレーター『それは誰ですか?』
ベン『僕です。』
??自殺しようとしているのに、911に連絡しているのは矛盾していないか?と思うが、これには深い訳があって…。
『神は7日で世界を造り、僕は7秒で人生を壊した。』
ベンは携帯メールに気を取られているうちに交通事故を起こしてしまい、助手席に乗っていた婚約者と、対向車に乗っていた6人家族が死亡してしまう。
生き残ってしまったベンは、罪悪感にさいなまれ、ある”計画”を立てた。
ベンは食肉販売のテレホン・オペレーターであるエズラ・ターナー(ウディ・ハレルソン)にいわれのないクレームを入れる。エズラは盲目であることをけなされても、人格否定されてもクレームに対して怒ったりせずにきちんと応対する。これはエズラがどんな人なのか、その人格を試したのだ。
次にベンは勤務先である国税庁に向かい、自分が探している人物のリストを検索する。
ベンはそのリストのうちの心臓病を患っているエミリー・ポサ(ロザリオ・ドーソン)を訪ねるが、彼女は病院へ行っており留守だった。
病院へ向かったベンはエミリーを見つけるが、面会の時間を過ぎており彼女に会うことはかなわなかった。彼女の病室に立ち寄り、その寝顔を見守ったが、彼女に気付かれると早々に病院を去った。
ベンの夢の中でベンはエンジニアであり、会議で夕食に遅れて婚約者を怒らせていた。目覚めると弟から電話があり、『前にうちに泊まったときに何か持って帰らなかったか?』と聞かれる。ベンは『いいや、何も持って帰っていない。禁煙は続いているか?逆にお前には俺の物を与えたが。』と謎の会話を交わす。
次に老人ホームを経営している、骨髄移植を待っている男性と面会したベンだったが、彼は施設の運営費を節約して自らは高級車を購入し、入所者に対しては薬を飲まなかった罰としてフロに入れないなど冷たく対応しており、彼の人格は骨髄移植を受けるに値しないと判断した。
ゴルフ場に友人ダン(バリー・ペッパー)夫婦を訪ねたベンは、『計画はどうなっている?』と訪ね、ダンは『まだ気持ちが決まっていない。』と答える。ベンは『考えずに計画通りに実行しろ。』と伝える。
エミリーの病院で骨髄移植を待つ少年ニコラス(クインティン・ケリー)を見つけたベンは、骨髄移植の相手をこの少年に変更した。エミリーと少し会話をし、ベンは”自分は国税局の職員で、あなたは未納の税金がある”とエミリーに伝えた。エミリーは今退院になったので、税金のことについては今度家で話したいと伝えた。
中盤
ベンは病院の近くにあるモーテルに住むことにした。
病院から退院したエミリーを訪ねたベンは、国税局の職員として彼女の経済事情や病状を詳しく聞き出す。エミリーの心臓は心臓病としては入院が必要なほど重度ではないが、心臓に不具合が起き、ドナーがいない状態であればおしまいという状態であった。
エミリーが善人であると感じたベンは、当面の間追徴課税が生じないようにすると伝えた。
かつて住んでいた海辺の豪邸で、婚約者を失った悲しみを感じながら、ベンは掃除をして荷物を整理した。
ベンは今度はモーテルの自分の部屋でハブクラゲを飼うことにした。ハブクラゲは猛毒を持つクラゲで、ベンは子供の頃水族館でその姿を見てとても美しい生物だと感じたのだった。
ベンの宿泊しているモーテルへダンが訪ねてきて、”計画”の進捗状況を報告した。ダンは『こんな頼み事は普通のことではない。簡単にできることではないんだ。でも計画通りにやるから。心配するな。』と涙を流しながらただ事ならぬ雰囲気でベンに伝えた。ベンはただ『ありがとう。』と答えた。
次にベンは児童安全課/家庭福祉課で働くホリー(ジュディアン・エルダー)に会いに行き、助けが必要なのに施しを求めない人はいないかと聞く。
ベンはホリーから恋人のDVで危機的状況にあったコニー・ティポス(エルピディア・カピーロ)の話を聞き、コニーの家を訪ねて遠くに逃がしてやると申し出た。コニーはベンのことを信用できずベンを追い出したが、ベンは自分の名刺を渡して、困ったことがあればいつでも連絡してくれと伝えた。
コニーの家から帰る途中に、弟から急ぎの電話が入るがベンはすぐに電話を切った。
次にベンはジュニア・ホッケー・チームの監督であるジョージ(ビル・ストロヴィッチ)に腎臓を提供し、ジョージから『なぜ私に腎臓を提供してくれたのだ?』と聞かれ、ベンは『あなたが誰も見ていなくてもいつでも善人だからだ』と伝えた。
そんな中、エミリーが心疾患からくる脳虚血で倒れる。
エズラはピアノ演奏のバイトをし、夕食にレストランに入って気に入ったウェイトレスに声をかけるがなかなかデートには誘えない。ベンはそんなベンを遠くから見守り、彼が善人であることを確認する。
エミリーは病院からベンに連絡をして、”心臓が悪くなり失神して今病院にいる”と伝えた。ベンはすぐに病院に向かい、向かう電話の中でエミリーに”ティム”の話をする。エミリーと電話しながら病院へ到着したベンはベッドサイドで一晩エミリーを見守る。
翌朝、担当の医師からエミリーの心臓が悪化しており、心臓移植が必要な状態であることを聞いた。
その日の夜、コニーから助けてほしいとベンに連絡が入る。コニーは恋人から暴力を受けて子供とともに家を出てきたようだ。
ベンは『彼に見つかったらどうしよう?』と弱気になるコニーに、『なんて可愛い子達だ。この子達を守るためにはあなたは強くならなくてはならない。』と伝え、海辺の自分の豪邸を提供することを申し出て、彼女はそれを受け入れて子供と幸せに暮らした。ベンからコニーへの手紙には『ここの海岸はとても素晴らしい。あなたや子供達の心も癒やされると良いが。』と書いてあった。
エミリーの退院時、ベンが国税局の職員という以外は彼のことを知らないエミリーから、出身や出身校、今までの恋愛歴などを聞かれるが、恋愛の話についてはベンは答えることができず、エミリーはベンから壁をつくられたような気持ちになり、機嫌を損ねてしまう。
後日、エミリーの庭の草むしりをしているベンを発見したエミリーは、仲直りをすることにして、”自分は立体印刷の仕事をしている”と伝え、ベンに自分の家の離れにある古い印刷機を見せ、壊れていて誰も直せないと伝えた。
ベンとエミリーは草原で座りながら話をし、ベンはエミリーに心臓を提供するつもりが、いつしか一人の女性としてエミリーのことを好きになっていた。
それからベンはこっそりとエミリーの離れに忍び込んで、壊れた古い印刷機を修理する。
終盤
印刷機の修理が終わった頃に、ベンはニコラスに骨髄を提供する。移植後のダメージから回復した頃に、エミリーから食事の誘いの電話が入る。
エミリーの家に食事に向かったベンは、エミリーからポロシャツをプレゼントされ、手料理を振る舞われる。ベンはそんなエミリーを離れに連れて行って、古い印刷機を修理したことを伝えた。エミリーは感動し、ベンを抱きしめる。
ベンはエミリーにプレゼントがあると伝えて車に取りに戻ると、ベンの弟が現れた。
ベン『ベン、帰れ。』??
弟『国税局員になりすますのは重罪だぞ。』???
弟『ティム、宿はどこだ?今すぐ身分証を返せ!』!!
なんとベンはベンではなく、ベンの兄である”ティム”だったのだ。
弟ベンの国税局職員の身分証を用いて、移植者候補を探していたのだ。
その後ティムの車で待っているというベンを置いて、ティムはエミリーの元へ向かう。
エミリーに『君には嘘はつきたくない。用事ができたからもう行くよ。』と伝えたティムだったが、エミリーに抱きしめられ、キスされて、二人は結ばれた。
ティムとエミリーは『もしこのまま、二人が結婚出来たら』『もし二人にこどもができたら』などと話をし、幸せな時間を過ごす。
エミリーに時間が無いことを知っているが、このまま二人で生きていけないかと思ってしまったティムは、病院へ向かってエミリーの主治医にエミリーが回復する可能性を聞く。
主治医は『特殊な血液型の適合ドナーが見つかるのは非常に難しくて、3~5%ぐらいなの。残念ね。』とティムに伝え、ティムの心が決まった。
ティムはダンに電話し、『時が来た。愛しているよ。』と伝えた。
エズラに連絡したティムは、おかしなクレームの電話を入れたことを謝り、あれはエズラが忍耐強く、善人であることを確認したかったこと、この後ダンという男から連絡が入るから彼を信用してほしいということを伝えた。
モーテルの浴槽に氷水を入れ、レスキュー911に連絡すると冒頭のシーンへ戻る。
氷水に自らの身体を沈め、ハブクラゲを放す。ハブクラゲがティムの腕を刺し、ティムは死亡する。
エミリーのドナーが見つかった呼び出しベルが鳴り、エミリーは傍らに居るはずのティムを探すが、ティムはいない。
病院ではティムの死亡が確認され、ダンが心臓移植の手続きをしている。ティムから心臓が取り出されてエミリーに移植され、鼓動が再開した。
ティムが立てた”計画”とは、自らの不注意で奪ってしまった7人の命を償うべく、自らの臓器や財産を善良な7人に贈るというものだったのだ。特に自らの死が必要となる心臓移植については、子供の頃からの友人であるダンに協力してもらい手続きをする必要があったのだ。
移植を終えたエミリーは、ティムの弟ベンから、ティムの起こした交通事故で7人が亡くなり、その1年後自分が肺癌になってティムから片方の肺を移植してもらったこと、それをきっかけにティムは人助けを始め、その6ヶ月後にはホリーに肝臓を提供したことを聞いた。
ティムは生前に臓器移植をした相手に手紙を用意しており、エミリーはその手紙を読みながら涙が止まらなかった。
エミリーが浴槽に身を沈めると、ティムからもらった心臓の鼓動が感じられた。
エミリーは子供達の合唱会でピアノを演奏するエズラに出会う。エズラはティムから角膜移植を受けており、目が見えるようになっていた。
エズラもティムからの手紙を受け取っており、訪ねてきた女性がエミリーだと悟って、エミリーとエズラは抱き合った。
感想
映画の中では雰囲気の良い音楽が随所に使用されており、落ち着いた雰囲気に非常にマッチしています。
タイトルの7 poundsは、ベニスの商人というシェークスピアの戯曲に出てくる、借り主の借金が返せなければ自分の肉1ポンドを貸し主に与えるというところからきているそうです。
ティムは自らが奪ってしまった7人の命を、7人へ自分の大切な物を与えることで償おうとしたということだと思います。
特に最後の心臓移植に関しては、自らと同じ稀少な血液型を持っていて、心臓病を患っている人を探し、最初から心臓を提供するつもりで接触しています。
そして、その人物像を知るために関わっていくうちに恋に落ちて、苦悩しながらも最終的には予定通り心臓を提供しました。
果たして失われた7人の命に対して報いることができたのでしょうか?
私としてはもっと他に償う方法もあっただろうし、巻き込まれた人々、特に友人のダンについては自殺幇助みたいなことになって、友人に対するティムの新たな罪が発生したように思いますが、どう感じられるかは観た人次第だと思います。
とはいえ、この映画を観てしばらくはこの映画に影響されて、積極的に供血をしていた私なのでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
また自分の気に入った映画に関してご紹介していこうと思いますので、よろしくお願いいたします。